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駄菓子屋系古本屋  『本の森』 | 日記 | 【太宰定期便】 號ノ壱  『グッド・バイ』


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【太宰定期便】 號ノ壱  『グッド・バイ』 (2017.06.17)

ツイッターのフォロワーさん発案企画に丸ごと便乗する形で始めます(笑)
月に1回ほど、太宰の作品に僕の勝手なつれづれを綴っていこうという、フリーダムな企画でございます。
ニーズ、あるんでしょうか(苦笑)


さて、第1回は、ちょうど太宰の亡くなった6月でもあるので、彼の最後の作品となった「グッド・バイ」を。
同じ年に『人間失格』を書き終えていることもあってか、筆致が明るい、というより、軽い軽い(笑)


この話は、愛人を囲い、アンダーグラウンドな商売でしこたま儲けたりしていた主人公が、表の仕事(編集者)としてまっとうに生き直そうとする物語です。

ところがそのためには、たくさんいる愛人たちと、順に別れていかねばならない。
グッドバイ、グッドバイ、グッドバイ、、、

しかし、なかなかそうはうまくいかないもので、別れることなど夢にも思っていなかった妻からグッドバイされる、哀しくもおかしい物語に、、、なる、はずでした。


1948年、代表作との呼び声も高い『人間失格』を書き終えた太宰は、6月13日、とある女性と玉川上水でその生涯を終えます。

仕事場には、新聞に連載中の『グッド・バイ』13回目までの原稿が置かれていたといいます。
(太宰一流の、「13」の謎かけだという人もいます。彼は、「13人目の使徒」とも言われたユダのキリストへの愛と憎しみ、哀しみを、繰り返し語っていました)


余談ながら、太宰にはもう一つ、『火の鳥』という未完の作品があります。
当時の彼の疲労が限界に来ていたこともあるでしょうけれど、もしかすると、彼は、自身の「再生」ということを最後まで信じ切れなかったのかもしれないな、と僕は感じています。


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